―ひと月が経過しました。

その頃には、私はかなり疲れ果てていました。

そして、ある噂を耳にしてしまったのです。

『千弦の家族は、彼女(私)を残して家を出た。』

という内容でした。

あゝ。
知らなければ、幸せに待ち続けたのに!

あっという間に種明かし。
知らない方が、私は嬉しかったのに。