無意識に出たため息。
同期のあやこはアルコールメニューに視線を落としたまま言った。
「どうした」
「神社の手水の作法の認知度ってどのくらいなんだろう」
あたしはスマホで検索する。
しかし作法の紹介はあるけど、認知度なんて出てこない。
「ますみはそーゆうタイプだからね」
【そーゆうタイプ】
ちゃんとしてないとイヤなタイプってこと。
手水の作法もだけど。
たとえば、ペーパーは端を合わせてキッチリ折りたい。
モノは定位置に。
ルール、約束、決まり事はきちんと守りたい。
会社の人は仲がよくても同僚であって、友達ではない。
(それによって、心に壁があると言われたことは何度もある)
「自分が面倒くさいタイプだってことは知ってるけど。一緒にいる人に恥をかかせたくないでしょ」
そう。
あたしが知らなかったことで、相手も同じ目で見られるのは申し訳ない。
あたしもアラサー。
周囲からは、それなりに知識・経験があるだろうという目で見られることは当たり前だと思う。
だから、ちゃんとしていたい。
「あたしがさ、神社に行ってお参りの仕方どうやるのー?なんて言ってたら一緒にいて恥ずかしいでしょ」
「…まぁ、そうだね」
「年齢による見られ方ってあると思う。許容範囲とか」
「ドリンクバーのひと?」
「ちがうけど。」
あたしが尻すぼみで答えると、あやこは驚いて「ちがうの?!」と言う。
「…パーティのあと、連絡取る人は一人とは限らないでしょ」
「そうだねぇ」
あやこは店員を呼び止め、追加の飲み物をオーダーした。
それからあたしを真っ直ぐに見る。
「ねぇ。そもそも、なんで不破とつきあってないの」
同期のあやこはアルコールメニューに視線を落としたまま言った。
「どうした」
「神社の手水の作法の認知度ってどのくらいなんだろう」
あたしはスマホで検索する。
しかし作法の紹介はあるけど、認知度なんて出てこない。
「ますみはそーゆうタイプだからね」
【そーゆうタイプ】
ちゃんとしてないとイヤなタイプってこと。
手水の作法もだけど。
たとえば、ペーパーは端を合わせてキッチリ折りたい。
モノは定位置に。
ルール、約束、決まり事はきちんと守りたい。
会社の人は仲がよくても同僚であって、友達ではない。
(それによって、心に壁があると言われたことは何度もある)
「自分が面倒くさいタイプだってことは知ってるけど。一緒にいる人に恥をかかせたくないでしょ」
そう。
あたしが知らなかったことで、相手も同じ目で見られるのは申し訳ない。
あたしもアラサー。
周囲からは、それなりに知識・経験があるだろうという目で見られることは当たり前だと思う。
だから、ちゃんとしていたい。
「あたしがさ、神社に行ってお参りの仕方どうやるのー?なんて言ってたら一緒にいて恥ずかしいでしょ」
「…まぁ、そうだね」
「年齢による見られ方ってあると思う。許容範囲とか」
「ドリンクバーのひと?」
「ちがうけど。」
あたしが尻すぼみで答えると、あやこは驚いて「ちがうの?!」と言う。
「…パーティのあと、連絡取る人は一人とは限らないでしょ」
「そうだねぇ」
あやこは店員を呼び止め、追加の飲み物をオーダーした。
それからあたしを真っ直ぐに見る。
「ねぇ。そもそも、なんで不破とつきあってないの」

