満月の夜に

自分の館に連れて帰ると、
早速ベッドに寝かせて、
血だらけの体に吸いつこうと思った。が、




『 た ……す、……けて …… 』


前髪の隙間から覗く、苦しく歪んだその顔に
一目惚れをした。




ただの人間なのに、
血を吸うためだけの“ 獲物 ” だったのに。

俺は、今にも息を引き取りそうな
弱々しい彼女を介抱することに決めた。


血を吸いたい欲望よりも、
彼女の全てが欲しいという欲望の方が
勝ってしまったんだ。




吸血鬼と人間は、決して恋をしてはならないのに。

俺は、18歳にして、その約束を
簡単に破ってしまった。