4月9日、野原高校入学式。
高校生になったというのに、私はじっとしていることができなくて小学校低学年の子のようにキョロキョロしてしまう。
「それにしてもでかい学校だなぁ。」
もともと高校に行く気がなかった私は、
学校のことは何も調べずに
ただ勉強をテキトウにしてこの学校に入ったわけで、
この学校がどういう学校なのか、知らなかった。
母が選んでくれたこの学校は
都内でも有名なマンモス校。
「なんで野原高校なの?」
と聞いたことがあったけど
「高校に行けるだけありがたいと思いなさい。」
母は早口でそう言った。
いやいや。おかーさん?質問の答えになってなくない?そう言いたい気分だったけど結局それ以上何も言わなかった。
―教室で―
「いちねんびーぐみ、、」
B組かよ!って大きな声で叫びそうになった。
中学のときもずっとB組だったわ!って叫びたい。
中学のときはB組は“だめクラス”みたいなジンクスがあってB組はだいたいの行事に失敗していた。
運動会は4クラスの中の最下位で文化祭のときの劇は主役の子が欠席してグダグダだったし、合唱コンはピアノの女の子が緊張からなのか、貧血で倒れて結局CDで歌う始末。唯一成功した3年生送る会はクラスごとではなかったから成功することができた、なんて言われている。
それだけならまだ偶然に偶然が重なったかな、って思えるけど3年間も同じようなことが起これは“だめクラス”で納得するしかない。だから多分、私と同じ中学出身の人はみんなB組を嫌がるだろう。
「お!蒼井じゃん!お前もB組か?」
「お。村沢。おまえ"も"ってことは、村沢B組なのか!残念だったな、ククク」
「どうせ蒼井もBなんだろ。残念だよなー。中学も3年間ずーっとB組だからなー、お前。」
「うっせーなー。すこしだまれよ」
村沢は私と同じ中学で一応、元カレ。女の子って付き合って別れたらなかなか付き合う前の関係に戻れないとか言うけど私はそういうのわからない。村沢以外の元カレたちともこんな感じで普通に話せちゃう。
【キーンコーンカーンコーン】
【ガラガラ】
「おはよう。1年B組の担任の仁科です。よろしく。」
ザワザワ。
「えっとじゃあ、まず、みんなに自己紹介してもらいます。自分の名前と卒業した中学の名前と好きなことについて話してください。じゃあ、今日は女子から行こう。最初は1番の蒼井」
「えーっとー、第一中学校から来ましたー、蒼井彩でーす。彩って書いて、サヤカと読みまーす。好きなことはさわぐことでーす。よろしくーお願いしまーす。」
「ぐだぐだだな。はいつぎ。」
うるせーなー。これだから新学期とか嫌いなんだよ!
自己紹介とか何言えばいいのかわかんねーよ!
•••••
何分たったんだろう。起きたらもう村沢の自己紹介が終わっていた。
(女子から始まって村沢ってことは30分ぐらい寝てたのかなー。)
「さいごは渡部だな。」
「はい。町谷中を卒業した、渡部侑斗です。好きなことは野球かな。よろしく。」
(ぼうずー···)
中学のときは坊主の人なんて見たことなかった。だからすごい新鮮で、テンション上がった。


