普段穏やかに笑う彼からは想像できないくらい力が強かった。



「ねぇ、恥ずかしいから離して。」



桜並道の真ん中で抱きしめられている私達を見ている視線が痛くてすぐに離すように言う。



「嫌。」



「え、即答?
でも本当に恥ずかしいから離してよ。」



「はぁ。琴音はいつも俺のことをたぶらかすね?」



「たぶらかすって…」



たぶらかした事なんて無いでしょ!というとため息をつれる。



ため息をつきたいのは私なんですけど…