奏の手をまた握れば少しずつ手の暖かさが戻っていることが分かる。



なのに、目を覚まさない奏に不安は増すばかりで。



「ねぇ、奏。



どうして?」



怖いくらいに静かに眠り続ける彼は本当に生きているのかと問いたくなる。



お願いだから、早く目覚めて。



そればかり思う。