「なんて、おもってももう無駄なんだけどね。



さぁ、もう帰ろう。」




背伸びをしてベンチから立ち上がる。




空は酷く明るいのに私の心は真っ暗だった。



「あぁ。」



そう言って歩き出す。




この時の私はまだ、知らない。




身が焦がれてしまうような思いに覆われて




苦しい思いを胸に持つことを。