「つ、付き合ってないですよ!」

「そっか。よかった!」

「よかった……?」

「なら、遠慮しなくていいわけだ。」

「え……?」

じりじりと壁に追いやられて、とうとう下がれなくなった。

「俺さ………」

「待ってくださいよ先輩。」

「奏君!?」

いつの間にか橘先輩の背後に奏君が!

「俺もまだ言ってないのに、抜け駆けなしですよ。」

「そうなのか。てっきりもう言ってんのかと。」