凍った空気が充満してる家には
まだ帰りたくなくて

好きだった静かな川沿いの道を
学校帰りにゆっくり歩いていた。

暗い夜の川に映る外灯の光がゆらゆら揺れていて、自分が知らずに微笑んでいるのに気がついた。

何やってるんだろうなぁとか思いながら、
帰ろうとした、その時だった。



口を抑えられ、強い力で身体を押さえつけられた。
4人ぐらいだろうか。強いお酒の匂いが若い男達を包んでいる。
自分の精一杯の力で抵抗しても体はビクとも動かない。
「……っ……!」

声も出せなくて
抵抗もできなくて
ビリビリに破かれた制服。

「暴れんじゃねェ!誰も助けになんてこねェんだよ」
ニタァっと笑う男。


助けて

そう思って手を伸ばすけど、






涙が頬をつたうだけだった。