本当のことを話したら軽蔑されると思っていたのに、心晴は涙目になって私に共感してくれた。そして、そのしんみりしたテンションからは無理矢理感のある明るい声音で、カバンの中から愛用のタブレットを取り出した。

「だったら、彼氏レンタルしてみなよ!そしたら、今のその気持ちがウソか本当か見極められると思う!」

「そんな、ブルーレイやコミックのノリで借りられるものじゃないよね!?」

「それがね、借りられるんだよ、ホラっ!」

 21歳になった私に贈られた親友の誕生日プレゼントは、レンタル彼氏でした。

「ひなたの誕生日プレゼントだよ!」

「いいよ、そういうのは。ただでさえ優のことで頭パンクしそうなのに、これ以上他の人と関わったら脳みそ爆発する」

「実は、もうひなた用に予約しちゃってるんだよ〜!!だから、ね?」

「まさかの予約済み!?」

 とんでもないことになった。

 「キャンセルできないの!?」とは、とても言えなかった。こういうのって、利用料金はおろか、キャンセル料もバカ高そうだから。

 私が何かに悩んだ時、心晴はいつも一生懸命になって一緒に考えてくれた。今回のレンタル彼氏うんぬんはやり過ぎだと思うけど、それも、彼女の優しさ。友情。

「自信ないけど、レンタル彼氏に会ってみる……。一回だけなら」

「もちろん!それでひなたの気分が晴れるといいね!レンタル彼氏は厳しい面接乗り越えて女性を喜ばせる術も学んだ人ばかりだから、きっと何か発見があると思う!」

「そうだね」

 心晴はいつになくぎこちない様子で笑顔を見せた。気のせいかな?