落ち込む私とは正反対に、心晴は気持ちを切り替え明るく言った。

「だよねっ!2時間半なんてすぐだよね!今までが近かったから恵まれ過ぎてたんだよ。うん。そう思うことにしよっ」

「心晴……」

「離れてたって、あたし達は仲良しだよ。スマホで顔見ながら話せるし、寂しくなんてないんだから!」

 心晴は強いな。私なんかと大違いーー。

「次はひなたの番。何か話したいことあったんじゃない?」

「ううん、何でもないよっ」

「隠すなんて水くさいよ〜、言って?」

「……この前紹介してもらったレンタル彼氏のことなんだけど」

「凜翔(りひと)君!?」

 心晴の声が心なしかうわずった気がしたけど、そこには突っ込まず、最近のことを話した。ここ数日バイトで忙しそうにしていた心晴にはまだ話せていなかった。

「そっかぁ。あたしがバイトに呼ばれた後、凜翔君とそんなことになってたなんて。偶然会うのもビックリだけど、なんかもう、本彼の優(ゆう)君より恋人っぽい時間過ごしてるね」

「心晴もそう思う!?」

「思うよ〜!でも、優君とも毎日大学で会ってるんだよね?」

 私はうなずいた。そう。優とも毎日顔を合わせ、バイトがない日は遊びに行ったりちょっと高いご飯を食べに行ったりしている。たまに講義もかぶるし。