昭を残してカフェを出るなり、心晴は晴れ晴れした顔をした。
「ひなた、よく言ったね!あたしもスカッとしたよ!」
「私も!」
「昭君、ホント勝手だよね!そばにいたらこっちまでイライラしてきたよ!ひなたの分までもっと色々言いたかった!」
心晴がそこまで人のことを悪く言うなんて珍しい。昭の無神経さを再確認し、再びヘコむ。
「あんなヤツ好きな自分が嫌だよ……。付き合ってた事実記憶から消したい」
「だよね……」
私の背中を優しくさすり、心晴は言った。
「さっきひなたから色々話聞いて『もしかしたら』と思ったけど、やっぱり昭君ひなたに未練あるんだね」
「そうかな?だったら最初から振らないんじゃない?」
のほほんと返しつつ、心晴の指摘に胸が高鳴った。
「別れた後にひなたの大切さに気付いたのかもよ?」
「あの昭が?気まぐれで軽いとこあるから、さっきのもテキトー言っただけだよ。深い意味なんてないんじゃないかな」
「たしかに昭君の軽い部分は否定できないけど……。でも、優君の悪いウワサをわざわざひなたに伝える昭君に違和感がしたんだよね。それが作り話だったなんて、なおさら!確信犯だよ」
「ホント、くだらないウソで引っかき回してくれたよね。おかげで優と向き合えたから怪我の功名なのかもしれないけど」


