レンタル彼氏–恋策–


 昭はめげずに優に頼んだ。

「やっぱり、お前と絡めねぇのキツいわ。無視されてよーく分かった。ひなたのことで色々俺に不満があるのは分かるけど、そういうのリセットしてもう一回前みたいに友達やってよ。頼む」

 心晴と私は肩を寄せ合い、二人を見守った。

 優は真摯に答えた。

「そうだね。女の子に対していい加減なところを改めるって言うなら考えてもいいかな」

「えー!?それは別にいいじゃん!お前が俺の彼女になるわけじゃないんだし」

「そういう問題じゃないよ。って、言って通じる相手じゃないか」

 ため息をつき、優は言った。

「このまま絶縁状態でいてひなたに精神的負担かけたくないから、普通に話すくらいならいいよ」

「マジで!?言ってみるもんだな」

「今はまだ知り合いの域を出ないけどね。そこんとこ忘れないでよ?」

「お前、しばらくしないうちに強くなったな……」

 いつになく高圧的な優に苦笑しつつ、昭は嬉しそうに笑った。チャラチャラしてるけど、全力で昭を好きだった時を思い出すいい笑顔だった。

 二人の友情が復活する日は、もうすぐ。私の安堵感を察して、心晴も柔らかく目を細めた。

「よかったね、ひなた」

「うん…!」