先生の私開発

生徒指導室……。
この学校は相当のことがない限り、生徒指導室なんて使わない。
妙に身構えてしまった。

『大丈夫ですよ。身構えなくて。質問をしたいだけなので。』

先生は私が身構えているのに気づいたらしく、そう言った。
重大なことではないと知り、一安心したが、次にはどんな質問をされるのかということで、身構えてしまった。

「質問ってなんですか…?」

少し緊張して声が震える。

『白田さんって友達いないんですか?』

沈黙が訪れる。
何を聞いてるのこの先生?
そんなの聞かなくてもわかるでしょ。
馬鹿にしてるの?
そんな感情が溢れだす。

『あ、言い方悪かったですね。すみません。悪い癖なんです。』

先生は謝ってるけど、心から謝っていないように私には見えた。

「だったらなんですか?」

キレる一歩手前。
自分を抑える。
キレても良いことなんてない。
だからできる限りは制御する。

『図星かよ』

その一言で一気に冷気が漂った。
今、先生の雰囲気が変わったような…?
図星かよって口調が…。
パニクる私の頭を置いていきながら先生は続ける。

『おまえ、毎日楽しい?友達作らねぇで
1人端っこにいるのは。』

パニクる私でもすぐに言葉を発することができた。単純に先生の発言がムカついたからだ。あと一歩踏み込んだらガチギレしそうなくらい。私に言ってはいけないことだった。

「うるさい。楽しいわけないでしょ。」

言った瞬間、我に返った。
やばい、そう思った。
だけど、今更戻れないと思い、先生を思いっきり睨む。
そこには、余裕な顔をした先生がいた。

『ふぅーん。じゃあなんで1人なの?』

ズケズケと入ってくる。

「周りと打ち解けられないからですけどなにか?」

嫌なことを聞かれるのは辛い。
早くこの話を終わらせたくて早口で話す。

『なにか?じゃねーよ。つまらなそうな顔して教室にいるんじゃねーよ。打ち解ける努力もしないくせによ。楽しくなさそうな私不幸ですって顔してるの見るとイラつくんだよ。』

ぷつん
切れた。なにかが切れた。
知らない人になにも知らないくせに、知ったような口を聞いてるのが辛かった。
"なにもしてない"
そう、確かに今はなにもしていない。
でも、前は努力していた。
そんなことも知らないくせに。

「最低」

それだけ言い残して私は生徒指導室を出た。
走った。
家まで走った。
なにも考えたくなくて。
なにも知らないくせに踏み込んできたのが許せなくて。