昨日の声が聞こえた。
私は何て事をしてしまったのかと後悔した。いつの間にかフラグを立てながら歩いていたからこうなったのだと。

「なんですか?」

苦笑と共に振り返る。
そこには、昨日の顔があった。
"木下先生"の顔が。
内心早く帰りたいと思いつつ、先生に歩み寄る。

『白田さんに少しお話があります。今いいでしょうか?』

そう言う満面の笑みを浮かべる先生の声にはどこか拒否をさせないような、背筋を凍らせるようなものがあった。
何かしてしまったのか、心当たりを探すものの全く検討がつかなかった。

「はい……。」

嫌な気持ちが大きかったが、先生の声が拒否権を与えないようで拒否できなかった。

『ありがとうございます。では、場所を移しましょうか。』

先生の言葉に頷く。大人しく私は先生について行った。