昨日は焦った。
木下先生とぶつかるとは思わなかったし、悩みがどうとか言われるとは思ってなかった。
まず、私の名前を知っているのにも驚いた。周りの女子に囲まれているから私みたいな影の薄い地味な女子なんて気にしていないと思っていたからだ。

気にしても仕方がないと思い、私は今日もいつも通りに面白くもなんともない日常を過ごした。

放課後。

(昨日みたいに面倒なことが起こらないといいな)

と考えながら廊下を歩いていた。

『白田雪。ちょっと待ってください。』