暗い、真っ暗な世界。




ここが何処かわからない。




ただ暗闇だけが広がっている。





『そうだよ、結末はこんなにも呆気ないんだ…………なのに君は復讐に囚われるあまり何も見ようとしなかった』





声が聞こえた。男の声だ。




男の姿が暗闇から少しずつハッキリ見えるようになる。




その人物は知らない。見覚えすらない。




黒い髪の一見すると何処にもいるような少年だった。唯一、一般の者と異なるのは少年の目が紅い目をしている事だろう。





『ん?僕が誰かって…………ここでは時の番人とでも名乗っておこうかな』





時の番人は眼を細め暗闇に囚われてる者に哀しい視線を向けた。