__変わった僕と不思議なきみ。
可笑しいのは僕ですか?
それとも、

僕と仲良くするきみ?__



入学式が終わってすぐ。

自己紹介、という意味のわからない時間。

出席番号1番から順に、自分の名前と好きな物を
いうだけの単純なモノ。

それが僕にとっては苦痛で仕方なかった。

自分はコミュ障だし、それに特徴的な見た目を
していた。

白い髪の毛。赤の瞳。透明感の強い真っ白な肌。

きっと、虐められる。

昔から、見た目で虐められてきたから。

「立花真冬(たちばなまふゆ)さん」

嫌な事を思い出している時、先生に名前を呼ばれて、肩がびくっと震える。

「は、はい...!」

「次、自己紹介お願い」

「はい!」

ガタンと席から立ち上がる。

「た、立花真冬です。好きな物は猫です。
こ、この見た目は...、病気なので気にしないで
ください」

席に座る。

「立花は、光が苦手なので体育には出れませんが、それ以外は普通なので仲良くしてやって」

先生がそう言い終わったあと、僕は教室のみんなを見た。

ニヤついた笑顔を浮かべた、人が見える。

「あの、次いいですかー?」

そんな人たちを全く持って気にしていない、と言った様子で手を挙げたのは、隣の席の...、
美少女。

「あ、はい。どうぞ」

「立花小雪(たちばなこゆき)って言います。
好きな物は、雪と冬です。よろしくお願いします」

小雪...、そう名乗った彼女の声は凛と澄んでいて、何よりも輝いてみえた。