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「ヘイ、ガール?俺たちとお茶しな~い?」

金髪の大柄な男は、母の出す魔性のオーラに引き寄せられていた。

「ーーちょっ、やめてください。連れがいるんです!」


泣きそうな声の母だが、恐れているのが悟られないように見えを貼りながら英語で誘いを断る。

「なーんだ、英語喋れるんじゃん。まぁまぁ、こっちきて一緒にお話しようぜ♪」


陽気に話しかけてくる男性の仲間らしい連中が1人2人と増え、合わせて5人現れた。

その中の1人が母の手を乱暴に掴む。


「ーーいや、やめてくださいっ!!」

母が慌てて振りほどいた手が男の頬に傷をつける。
血色のいい血が男の頬に流れ落ちた。
同時に母の顔は青ざめた。


「ーーっ!!?この女!!!」


「 ーーきゃっ!!?」

男は頬に傷をつけられ、無謀にも母に手を上げようとする。


ーーードカッ!!!




「ーーーーーう、…ううっ…っ!!」

「大丈夫ですか!!?」


タイミング悪く現れた父、宗次郎は母に駆け寄り……はせず、倒れている男へと足を運ぶ。


「ーーっ!!?何者だよあの女!!こんな重い拳、生きてて初めて喰らったぜ!!?」


父に愚痴をこぼす男だが、どうやら話す相手を間違えたようだ。



「…知ってたら、貴方は彼女に殺されてますよ。」

いつもの仏頂面ではなく、凍るような目つきと低い声で男の耳元に忠告を入れる父。


「もうこの場を離れることをおオススメするよ。私では彼女を抑えることは出来ない。」


「ーーひぃ!!?」


その後、いい歳した5人の男達は若々しく(見える)美しい女性に怯えながら去っていった。



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