「なずなちゃんになくてもぼくにあるとしたらどうするの?それでも一緒に帰るって言ってくれたら、ぼくは先のことを期待してしまうけどな」

「え?」

わたしは耳を疑った

そんなふうに誠を見ていなかったから一段と意識してしまった

誠もわたしに気を寄せていると思い込んでもいいのだろうか

「だから...こういうことだよ」

そう言って玄関にでると素早く傘を広げて手を引っ張って走り出した