雨はまだ降り続いている

しとしとした氷雨は女々しくて鬱陶しい

まるで優柔不断で決断力に欠ける自分のようだ

だけど、どこか切なくて嫌いになれない

誠はわたしのクラスではなく、兄の特別進学クラスになった

普通に入学するのにも難しいこの学校に編入試験を受けて入って来たと知れ渡ってどよめきは絶えなかった

「生徒会長もかっこいいけど長谷川くんもピカイチだよね」

隣りの席のむつみが話しかけて来た

「そうかな」

「そういえば今朝、長谷川くんと一緒に登校してたよね?やっぱり転校生が来るって知ってたんだ」

「違うよ、知らなかった。たまたま会っただけで…」

「そうだよね、なずなかわいいもん。声かけられるよね…」

むつみの声は落胆していた

「だから違うって…」

励まそうとしたが無理みたいだった

むつみはむつみでとてもかわいい

そのことに本人は気づいてないみたいだ