彼と出逢ったのは暑い
8月のことだった



『かんなーー、早く学校行こー!』
「ちょ、ちょっとまってー!!」

私は秋山神愛(アキヤマカンナ)。
歳は17。JK2
身長 163cm、体重 45kg
まぁまぁ細めの体型

そして、彼女は幼稚園からずっと一緒で
幼馴染みの山ノ下美香(ヤマノシタミカ)。
歳は同い年
身長 154cm、体重 40kg
見ての通りおちびさん




とりあえず、私達は学校へ向かった。
すると

どんっ
誰にぶつかった

「いった!!どこ見てあるいてん!…」
『!!』

どーやら相手は男子だった
とても整った顔で言葉が失った。



「あ、あの!ぶつかってしまってすいません!」
『いや、俺こそごめん。怪我はない?』

顔だけじゃなくて性格も良いんだっ!

「全然大丈夫です!ありません!」
『それならよかった』

かっこいいなぁ。
ん?彼のポケットになんか入ってる。
私はそれに気を取られてしまった。

『あ、こ、これは。』

私はすぐに気が付いた

「カメラですね!!!よく撮ってるんですか?」
『え、あ、うん』
「へぇー、見てみたいです!!」
『ごめん。俺は人を撮るのが好きでこれは個人情報だから見せれないんだ。よければ、君たちのこと撮ってもいい?』
「もちろんです!!!」

すると美香が小声で私に言った

『ちょいちょい、あんたそんな簡単に写真なんて撮らせないの。時間もないんだし!』
「えー!1枚だけだから!美香!お願い!」
『ったく、しょーがないなー』
「ありがと!!」

カシャッ

「見せてください!」
『はい、どーぞ』
「わぁ!すごい!ありがとうございます!」
『こちらこそありがと。じゃ、また』

彼はそう言って去っていった

『ったく、うちらこれから学校ですよ?神愛さん?』

彼の去る姿を見つめていてそんな事はどうでもよかった。

「学校さぼっちゃおーよー」
『えー、さぼったら山守(ヤマモリ)だりぃじゃーん』
「今日だけー」
『だーめ、昨日もサボったでしょ!今日は行くの!』

と言われ無理矢理連れていかれた。
彼のことをどうしても考えてしまい、授業になんて集中できなかった。

美香『かーんな!お弁当食べよ!ってお前食ってるし!待てよ!』
「へ!?あ、ごめんw」
美香『どーせ、朝会った知らない男の事でも考えてたんだろー。』
「んー?まーね。。。あ!そういえば!!!名前聞くの忘れたぁぁぁぁぁぁ!!!」
美香『おめでとうw』

巧『なになにどーしたのw』
嶐『神愛が男に振られたらしーwww』
「違うから!!」

彼らは佐藤巧(サトウタクミ)と田山嶐(タヤマリュウ)。
高1の時に仲良くなってずっと一緒だ。
ちなみに嶐と美香は付き合ってもう7ヶ月だ。

美香『なんか、今日写真撮られたー』
「そーそー、でも!その人めっちゃかっこよかったよ!」
美香『えー?そーでもなくねー?w』
「いや!かっこよかった!」
嶐『まぁ、そいつの名前を聞き忘れたのか』
「そーなの!!!本当最悪ー!!!」
巧『そんな簡単に写真なんて撮らせていーの?』
美香『ほんとね!うちもそれ言ったんだよ!でも、聞いてくれなかったんだよー』
「だって!滅多にないチャンスだよ!?」
巧『そんなチャンスで名前を聞き逃すバカねw』

そうこうしている間に昼休みがおわり
授業が始まるチャイムが鳴った

先生『実は広野(コウノ)先生がある事情で学校へしばらく来ません。それで、新しい先生がきました。入ってください。』

新しい先生が入ってきた。
すると美香が

美香『ちょ!あれって!!!』
「うっそ!?きせき!?」

今日の朝、ぶつかってしまった彼だった。

『中谷慎哉(ナカタニシンヤ)です。宜し、くお願いします。』

あ、目が合った。
へぇー、名前【慎哉】って言うんだ。
良い名前…

美香『ニヤけるな。きもい。』
「ンフフー」
美香『にしても、こんな時期に新しい先生って珍しいねー』
「それな」
『ほら、そこ2人〜喋るな〜』
美香『さーせーん』
「すいません」

先生だったんだ。
これはもう奇跡としか考えられない。





キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った

「私、先生に挨拶してくる!!!」
美香『あ!んも〜、行ってらっしゃい!』

「先生!」
『ん??』
「あ、あの!」
『はじめまして。秋山神愛さんだね?よろしく』

「あ、はい。よろしくお願いします。」

先生は私のことなんて、なんともも思ってないのか。

『ところで秋山さん、放課後ちょっと時間あるかな?』
「はい」
『じゃあ、放課後植物教室に』
「わかりました」

そう言って先生はいってしまった。

美香『嶐と先に帰ってるね〜ばいちゃ〜』
「おけおけ、ばーーい」

美香にもバイバイ言ったし、先生のところ行かなきゃ!
綺麗に巻いた髪の毛を少しとかす。すると

巧『お前まだいたの?なにしてんの?』
「あ、巧〜聞いて!今日来た先生が朝あった男の人だったの!」
巧『え何それ。キモチワル。』
「んもー、そんな事言わないでよ!そんで先生に呼ばれたから今から行ってくる!バイバイ!」
巧『え、お、おい!!』
「?」
巧『…なんもない。』
「変な巧〜、バイバイ!」

もー、巧のせいで遅れちゃったよぉ〜。
先生怒ってるかな?

植物室についた。あー緊張する。

コンコン
「失礼します。」
『こんにちは』
「こんにちは、所で用とは??」
『あぁそれはだな…』


先生の顔が急に暗くなった。
と思うと、今度はあの時の優しい笑顔になった。