本当はもっと先生と話したかったのに。


もっといろいろなことを聞きたかったのに。


うまく会話ができない自分がいやになる。

「大会って優勝したんですか?」

「いまは何でテニスしないんですか?」

「私にも教えてくださいよー」


頭の中ではいろいろ言葉はでてくるのに、
本人を前にするといえない。

受験する本当の理由だって、
先生が受験を薦めてれたからなのに。


王状だって、
先生がそこでコーチしているって
噂で聞いたからなのに。


でも何もいえない。

本当はもっと話をしたいのに。。。




少しうつむき加減で歩いていると
聞きなれた元気な声がした。


「リター」


マリエだった。


「また何か想像してた?」

「えっ、どうして?」

「だってリタって、考え事しているときって、
全然周り見えてないじゃん。
小学校からの付き合いだよー。」


「マリエにはまいったなー
ばれっちゃたのね?」


「なになに、進路相談だったんでしょ?
厳しいこといわれたの?」


「そんなことないよ。
頑張りなさいって言われただけ。」


「またまた、ちょっといわれたんでしょ!
水臭いなー。なんでもいってよ。
相談のるわよ。」


マリエにとっては、すごく興味あることらしい。