樹が少女の事を忘れることが出来ないまま

10年の月日が経ちました。

ある日、そんな樹の元に1人の女性がやってきました。

スーツを着こなした若い女性です。



「私だよ、覚えてないの…？」


女性はそう問いかけてきました。

樹は何のことかわかりませんでしたし、初めてあった人にそんな事言われるなんて思っていませんでしたからとても驚きました。


そう…驚いたのです…


あの10年前初めて少女と会ったときと同じように…

樹はもしかして、と思いました。


「私よ。10年前、毎日のように来ていたでしょう？

大人になったの。

突然来なくなってごめんなさい。

虐待が酷くなって、遂に

お婆ちゃんの家に引き取られることになって…

遠くに引っ越してしまったの…

…お別れなんて言いたくなかったし

またここに帰ってくるって思ったから

何も言わずに引っ越しちゃった…

ごめんなさい…」



樹は喜びました。女の子が無事でいた事、自分の元にまた来てくれた事、自分を嫌ってたわけではないということに…

女の子が戻って来れた事に喜び、大輪の花を咲かせたのでした…


ーおしまいー