少女は話を続けます。

「貴方は無力なんかじゃない。

咲かせる花は人の心を癒してくれるもの。

きっと貴方の優しさが花に表れてる。

美しい花に励まされる人も多い。

辛い時、苦しい時、貴方の花を見に来ると

そんな気持ちどっかに吹っ飛んでいっちゃうくらい。」


本当に?こんな自分でも役に立ってる?

でも、自分は可哀想な子供たちを救うことは出来ない。

やっぱり無力じゃないか。

この子だって…救うことが出来ないんだ…


「そんな事考えなくていいのに。

確かに私は虐待されてるけど…

相談所の人が来てくれたりするし…

辛くないわけじゃないけど…

貴方を見ていると少しだけ…忘れることが出来る…」


樹は嘘でもその言葉が嬉しかったのです。

この少女の役に少しでも役に立ってるということが…

そして、ただの樹である自分を気遣ってくれる少女の優しさが…