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そしてある少女と出会いました。

樹がいつものように自分の無力さを嘆いている時、

少女は樹に話しかけてきたのです。


「貴方は何も出来ないわけじゃないよ」


樹は大変驚きました。だって樹の思っている事が

人間に伝わるとは思っていなかったのですから。


そして、少女はこう言いました。


「桜桃樹さん。私はね、他の人と違って、

植物の声が聞こえるの。

こんな事言うと皆信じないし、嘘つきって言われる。

お母さんは気味が悪いと言うわ。」


樹は気付きました。この少女の腕に

火傷のあとがいくつもある事に。

そして、頭には殴られた跡がある事に。

そう、この子も虐待を受けている1人でした。