星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合

無意識に上目使いに先生の様子を窺っていると、



「…大丈夫なの?」



と先生から返ってきた。



「うん!」

「ごめんな、もうすぐ終わるから。」



私は手近な椅子を引いて座る。

静かな部屋に時計と先生がキーボードを叩く音だけが響く。

私は頬杖を突いて、ただ先生の真剣な顔を見ていた。



鳶色の瞳とそれを縁取る長い睫毛。

頬から顎のラインと滑らかな肌。

それにかかる栗色の柔らかな髪。

全てが黄金比で出来ていると思った。


スクリーンを見つめる視線は凛とした大人のそれで、時々何か小さく呟く唇からは吐息に幽かな色気を含んでいる。


(いつも可愛い系と思ってるけど…

こういう時の表情、大人の男の人って感じで…

カッコいい…)



感嘆の溜め息が零れた時、先生が不意に顔を上げ、一瞬揺らめいた瞳の光が私に向く。



(あ…見てたのバレちゃった…)



「何?」

「ううん、なんでもない。」



先生が再び目線を落とす。



好きな人をただ見つめていられる時間。

貴重な時間。