星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合

時計の針が4時を指す。



(4時って、夕方かな?)



夏の4時はまだ日も高く明るい。

頭上には青い夏空が残る。



が、私は問題集を閉じ、シャーペンをペンケースにしまい帰り支度を始める。



(うん、夕方よね!)



自分に言い聞かせるように強く思って、スクバを手に教室を出た。

行く先は勿論、英語準備室だ。



廊下の一番奥の準備室のドアをノックする。

(どうか岩瀬がいませんように!)

祈りながら

「失礼しまーす。」

と中に声を掛ける。



中には先生が一人でいた。

先生がパソコンの画面から顔を上げる。



「あれ?南条。」

「先生、まだ忙しい?」

「…今何時?」

先生が腕時計を見る。



「もうこんな時間だったのか。」

そう言って先生は溜め息を吐いた。



「もう帰りか?」

「うん。でも別に用事もないから…」

私はちょっと先生の顔色を窺う。



「用事ないから、もし先生が邪魔じゃなかったら…

待ってても、いい?」



「……」



返事がない。

もしかして、迷惑だった?