合宿2日目の晩。
花火大会をすると言って、夕食の後宿舎の庭に生徒達が集まった。
俺はあくまでも裏方なので、はしゃぐ彼女らを遠巻きに見ていた。
(あそこだけ凄い明るい…)
皆が花火に興じる庭でひとところだけ昼のように明るんでいた。
光に釣られるように近付くと、そこにいたのは南条だった。
南条の指の先で花火の白い閃光が瞬き、目映い光に映し出された彼女はとても美しく見えた。
黒い瞳がキラキラと揺らめいている。
「綺麗だね。」
声を掛けると南条が顔を上げた。
閃きを一身に浴びて瞳に光を宿して佇む彼女は本当に綺麗で、この空間が夢の中にいるようだと思った。
やがて彼女を照らす光の花は緩やかにその生を終え、花弁を振り落とす。
ほんの刹那の静寂と共に闇が訪れる。
「あんまりここだけ明るいんで思わず見に来ちゃった。」
そう言った俺に南条が訊ねる。
「先生もやる?」
「いや、今向こうで打ち上げ並べようと思ってんだ。」
「私も手伝うよ。」
大した手間でもないので俺は断ったが、
「二人でやるともっと早いから。」
と言って南条は楽しそうに俺の先に立って庭の隅に向かって行った。
花火大会をすると言って、夕食の後宿舎の庭に生徒達が集まった。
俺はあくまでも裏方なので、はしゃぐ彼女らを遠巻きに見ていた。
(あそこだけ凄い明るい…)
皆が花火に興じる庭でひとところだけ昼のように明るんでいた。
光に釣られるように近付くと、そこにいたのは南条だった。
南条の指の先で花火の白い閃光が瞬き、目映い光に映し出された彼女はとても美しく見えた。
黒い瞳がキラキラと揺らめいている。
「綺麗だね。」
声を掛けると南条が顔を上げた。
閃きを一身に浴びて瞳に光を宿して佇む彼女は本当に綺麗で、この空間が夢の中にいるようだと思った。
やがて彼女を照らす光の花は緩やかにその生を終え、花弁を振り落とす。
ほんの刹那の静寂と共に闇が訪れる。
「あんまりここだけ明るいんで思わず見に来ちゃった。」
そう言った俺に南条が訊ねる。
「先生もやる?」
「いや、今向こうで打ち上げ並べようと思ってんだ。」
「私も手伝うよ。」
大した手間でもないので俺は断ったが、
「二人でやるともっと早いから。」
と言って南条は楽しそうに俺の先に立って庭の隅に向かって行った。

