星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合

やっぱり研究室に残って研究者を目指せば良かった。

あそこは居心地が好く、思いっ切り好きなことが出来た。

教授も好い人だったし、仲間にも恵まれ、自分の成果も認められた。



しかし今更逃げ帰れない。

教育実習の後、人より遅れて教員の就職先を探し始めた俺は思うように見つからず、伯父の知人が理事を勤めるこの学校を紹介されて就職に至ったのだ。

伯父貴の面子を潰すわけにもいかない。



もしあの頃に戻れるなら、

きっとこの選択はしない…



日曜の暮れ時には薄暗い自分の部屋の中で独りベッドに座り込み、後悔することもあった。

     *  *  *