一方、幹部や下っ端達は総長に助けられた者ばかりで、イジメなんてする訳ないと、そう信じていた。しかし、総長がいない時、姫が
「まだ総長のあの子がイジメるの。」
と、同じ事を泣きながら言った。その女の体には、いくつもの痣があった。
幹部達はそれを見た時、総長ではなくその女を信じた。総長の彼女の話も聞かず、一方的に決め付けた。

そんな事とは知らず、怪しいと感じた総長は、姫について調べるためハッキングをした。すると彼女は敵の族の姫でスパイであると言うことが分かった。彼女はすぐさま倉庫に向かい仲間達に知らせに倉庫へ向かった。

やっとの思いで着いた倉庫の扉を開けると、いつも明るく、元気に挨拶してくれる下っ端達が睨みつけるようにこちらを見ていた。不思議に思ったが急いでいたため彼女は幹部室へ向かった。
ドアを開ければ幹部達が先程と同じ冷たい目でこちらを見ていた。
総長は傷だらけの姫を見て、駆け寄ろうとした時、幹部のが姫を守るように立ちはだかった。
そして、副総長が
「お前、最低だな、姫をイジメるなんて。見損なったよ。そんな奴は仲間にいらねぇんだよ、総長辞めて出てけ!」
と、総長に怒鳴りつけた。
総長は、身に覚えがなかった。だが、姫の方を見ると、その女は姫にした時と同じ様に、ニタリと笑っていた。そこで総長はイジメられる理由、信頼していた仲間に怒鳴られた理由がわかった。総長は
「私、そんな事してない。しかも、その女嘘ついてる。その女は敵の族の姫でスパイなんだよ?」
そう訴えた。しかしその訴えを無視し総長を幹部達で殴り、族から追い出した。