あるところに日本一の暴走族がいた。
総長は女というその頃では珍しい暴走族。
副総長や幹部、下っ端達はみんな彼女の事を慕っていた。好意を持った者もいた。

ある日、彼女達が見廻りをしていると、ある女の悲鳴が聞こえた。すぐに悲鳴を上げた女の所に行き助けた。偶然にもその女は幹部の1人の従姉妹で、その幹部が
「危険だ、姫にして守らないか」
そう提案した。
総長は、
「…そうだな、そうしよう。お前らもいいな。」
そう言った。幹部達は勿論OKを出した。
この時、総長以外は気付いていなかった。その女がニタリと笑ったいることに。気付いた総長は一度決めた事は変えないという自分の意志があったため取り消すにもそれが出来なかった。

この日から幹部達は皆、総長よりも姫を優先し始めた。

姫が出来てから、3ヶ月経ったある日、姫が
「いじめられてるの。助けて!」
と幹部達に泣き付いた。
幹部達は誰にいじめられてるのかを聞いた。姫は
「総長のあの子。」
と、下っ端と楽しそうに話す総長を指さした。
幹部達は心底驚いたようだった。
これが総長の悪夢の始まり。

姫が衝撃的な告白をした日から、総長の彼女は学校中の生徒からイジメを受け始めた。
罵倒され、殴られ、髪を切られたり…
彼女はイジメられる理由がわからなかった。しかし、イジメられても仲間達に心配を掛けたくないという思いから、仲間に相談できなかった。