ウソツキなキミは

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「…ますか……えますか……」












あの夏の日















マネージャーの立場であるにも関わらず











選手より先に熱中症になった気分だった。















グラグラする。気持ち悪い。














そう思う私に気が付き駆け寄る嘉村とけんや













「大丈夫?おい!!!!」
















そこからというもの意識は途切れた














「……らさん、聞こえますか」














うっすらと広がりゆく世界は真っ白で












ぼやけていた視界もクリアに変わっていく
















事の理解がすぐにできた私は













何か大事なものを無くしたような、そんな気分














「記憶が、ない。」















私はまた
















無くしてしまった。
















大切な 大切な

















多くの色が重なっていたキャンパスを。
















また 無くしてしまった

















もう 無くさないと















あれほど 『誰か』に支えられていたのに


















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