ウソツキなキミは











全てが計算だったわけじゃない。






あの日嘉村に余命宣告の話をしたのは辛かった







私が初めて恋をして 初めて苦しい思いをした。








思い出深い人に、最初にいう。







『かむらー。相談室放課後いい?』







いつもなら、用事があるとか暇じゃないとか






いろんな屁理屈を言ってくるくせに









なんでかな。あの時だけは呆気なく了承してくれた












あの時、なんか察知してたのかな。全部。











「で。なんかしたの?みふゆ。」






なかなか喋り出さない私にイライラし出す。








「早く言わないなら帰るぞ」







『2ヶ月なの。』









「…何が。」









『余命宣告されたの。長くて3ヶ月』












その瞬間、込み上げる思いを止めることは出来なかった













「そっか…そーか…2ヶ月か…」








全然受け入れられてない。わかってる。








「本当に。2ヶ月、3ヶ月しか生きられないのか」










『これ。』









そう言って出したのは、余命宣告の紙。