『ここ、保健室…かなぁ…?』





私なにも思い出せない。





目の前にいる大人も誰かわからない。



でも、先生だってことはわかる。



『篠原、誰なら覚えてる??』




私が 覚えてる人。




ハーフの人。背が高い人。 優しかった人。








あぁ、わかった。けんやだ。





「けんやしかわかんない。」






その瞬間先生達がざわめき出した、




怖くなった。わかんない。わかんないよ。






そのとき、急いでけんやが保健室に入ってきた





『ねぇ、私どーしたんだろ笑笑』




「無事?大丈夫?俺は覚えてる?」




『うん。覚えてるの。でもそれ以外は。っ。いたい…』






それから、ほかの人も色々来た。



2年の人。えっと。名前は…?





「じゅんって呼ばれてたけど覚えてないかな」




『わかんない…』




「んー、結構萎える笑笑 昔遊んでたんだけど:」





『じゅん…じゅん?あっ。じゅんなの?』




結構わかったよ。あやんもかりこもりなこも







『けんやけんや。』




「何した??」





『久々にサッカーみたいなぁ。
今のキーパーは誰がしてるの?』



その瞬間頭が一気に痛くなる




息も荒くなってうまく呼吸ができない



「思い出さないで。無理しないで。」





私が最近まで触れてた優しさは



トゲがあった。





『けんやごめんね。付き合ってもないのに。
なんでけんやだったんだろうね。ごめんね。』





苦しい、





ごめんね。