不思議そうに私を見る先生やクラスの皆。


「…よくわかりません」

こう答えたら後で他で指されることを知っていたから「先生、保健室いってきます」と付け加えて私はその場から逃げた。


保健室の先生は私がよく保健室を利用していたこともあり、弛い校風もあってか、快く空きベッドに通してくれた。


ベッドに横になって求められていた解答を考えながら、違和感。
きっとどう答えてもよかったのだと。“思ったことを言う”それだけの作業なのに答えられない私を不思議がっていたのだと。


思う、ということが私にはできなかった。