その日の道徳の授業。

黒板に書かれた文字は「いじめについて」だった。


もともといじめとは無縁にクラス一丸を好む私のクラスには無縁の話だったが、討論は進んでいった。


その先生は机の列を指して前から順番に聞いていくスタイルの先生だった。指したのは私がいる列。

「蒼野ゆきさん。どう思いますか?」


私の番。


答えられなかった。


どうでもいい。

それを言うべきでは無い。正解がわからなかった。