好きな人は幼馴染み ー短編集ー

「チッ!
んだよっ…
女にそんな事言わせて
恥ずかしくねぇの?
女に守られてるような男に
アコちゃんは似合わない」


菜摘の言葉に完全に
言い負かされた
伊藤は先ほどまでとは違う
歪んだ表情で俺を睨んだ。


そこでさらに
菜摘は笑顔を貼り付けたまま続ける。


「英輔は私の事を女のくせにって
見下した事は一度も無いわ(笑)
私は伊藤くんよりも自分が下だなんて思ってないしね(笑)
なんだって勝つ自信あるわ。
私を倒せないようなら英輔には絶対に勝てないからね〜
だって私はこの男とずっと張り合って
生きてきたんだから(笑)」


その言葉で伊藤は完全に頭に来たらしく
俺から菜摘に視線をうつし睨みつけた


それを見た俺は
菜摘をグイッと後ろに下げると


「文句があるなら俺に言え…」



「じゃ、言わせてもらうよ
学校でのアコちゃんは俺のモノだし。
今はそれでいい。
外でお前といたって
俺にはわからない事だ。
それに、学校内では
俺とアコちゃんが付き合ってるって
噂が立ち始めてる。
少しずつお前との立場を
俺が逆転してやる」




皮肉がたっぷりこもった
伊藤の言葉にいちいち腹が立つけど
ここで暴れたら菜摘が頑張ってくれた
意味がない。


俺は平静を保ったフリをして
無表情で


「噂なんかで俺らは
振り回されないけどな…
そんな軽い付き合いじゃない」