起きて




「ユイ、あれいいの?」

「今はね」

「でもさ、リュウヤくんもリュウヤくんだよね?ユイがいるのに」

「リュウヤくんを悪く言わないで」

「ごめん」



清水さんと歩いている間に色んな話をした。

清水さんが小さい時の話とか俺が小さい時の話とかいろいろ。


「リュウヤくんさ、恋ってした事ある?」

「いきなりだなぁー!でも今はわかんないな!」

「私ね、ずっと好きな人がいるの!」

「そうか」


なんか心が苦しくなる。


「一回は両思いになれたんだけど…一瞬で終わっちゃったの。お互いに嫌いになったんじゃないの。でも忘れちゃったんだよね。彼が。」

「忘れた?」

「うん。私、彼がこの世で生きてくれてるだけで良かったの。でも、他の人と楽しそうにしてたり、優しくしてたりするととっても苦しくなるの。」

「うん…」

「けど、彼は新しい人生を歩き始めてて、そこに過去の私が入るのはいい事なのか分からなくて、本人に昔の話ができないの」

「俺は清水さんが彼女だったって言われたら嬉しいけどな?」

「今の彼の隣には校内一の美女がいて、幸せそうなの。だから、邪魔したくないの。」



今にも泣きそうな顔の清水さん。