「楽しみだね〜♪」

2人顔を見合わせながら微笑んだ。今まで中学生だった華澄と紗良にとっては高校生はオトナだった。学校に携帯を持っていってもいいし、帰りに寄り道もできる。

「えーっと…1年B組だから…ここの教室だ!」

教室に入り自分の席を確認する。ラッキーなことに華澄と紗良は隣同士だった。

「やった〜隣じゃん!」

紗良が嬉しそうに席に座った。

「やっぱり幼なじみの縁ってかやつかな〜」

華澄も席に座る。

「高校生になったら彼氏出来んのかな〜?」

キラキラした瞳で紗良
が呟いた。
でも
華澄には分からなかった。
今まで恋なんてしたことないし好きな人が欲しいなんて思ったこともなかった。

「うーん…どうなんだろう…私にも出来んのかなぁ…?」

「大丈夫だよ!恋なんていつの間にか落ちてたりするんだよ?華澄にもきっといい出会いがあるよ。」

自分に恋なんていう言葉が似合わないなとおもいながらあやふやに返事をした。

「そぉーだねー…」

ザワッ

教室全体が急にざわめきだした。