「よっ!千陽!」


「お、早智!はよーっ。」


合格発表以来、久しぶりにこの道を歩く。


向かうのは、清南高校。


今日は入学式。


新しい通学路の途中で親友の矢尻千陽に会い、一緒に歩く。


クラスは違ったけど、親の関係で中学から仲がいい。


「四月とは言っても、さみーっ。」


まだマフラーが欲しいくらい。


「早智は寒がりすぎるって!」


千陽が苦笑しながら言う。


「高校ってどんな感じなんだろうなーっ。早智、すぐにクラスに溶け込めそう。」


そーか?


まぁ…友達作るのは得意だし、俺自体つまらない人間ではないし…。


「まぁ、楽しみであることには変わりないなっ。」