作家たちの話

「隙間女」
今年大学生になった小室 碧(こむろ あおい)は、ごく普通のマンションで独り暮らしをしていた。

古くもなく、独り暮らしにちょうどいい広さ。碧はこの部屋に満足していた。

この生活にも慣れてきて、友達と遊ぶことも増えた。彼女……はまだできそうにない。

シャワーを浴びて、寝る前に本を読む。

視線を感じる……。起き上がって、視線を感じた方を見る。
当然、異常はなかった。本棚があるだけだ。

疲れているんだな。今日は早く寝よう。
本を枕元に置いたまま眠りについた。


誰かに見られている。
碧は目を覚ました。朝の七時だった。

疲れ以外が原因か?こんな冴えない大学生の生活を見るやつなんかいないし……気にしすぎか。


朝食の間も、着替えている間も見られている気がする。
一度気にしてしまうと駄目だな。

大学に行けば、そんなことも気にならなくなるからいいけど。


碧は家を出て鍵は閉まったか確認する。
変な奴が入らないようにしなきゃな。でもすでに入っている可能性があるけどね。