作家たちの話

「なあ妃姫子……いや、森さん。去年はごめんなさい!」

残された男子は妃姫子に謝った。

「ひどいことしたのに助けてくれてありがとう……。あのさ、もう一度学校に来てやり直そう!もう誰もお前のこといじめないしさ……!」

妃姫子は何も言わない。

「何とか言えよ……!」

「ひ……やる……」

「は?」


「引きずり回してやる!」


妃姫子がそう叫んだ直後、頭は道路に叩きつけられる。

このとき、妃姫子の傷だらけの顔が見えた。

妃姫子は背の高い美人で、成績も優秀だった。そして、心優しかった。そんな妃姫子を先生は可愛がっていた。

しかし、同じクラスの生徒はそれをひいきだと思った。

いじめが始まり、エスカレートしていく。

妃姫子は綺麗な髪を捕まれ、校舎中を引きずり回された。
美しい顔に傷がついてしまい、妃姫子は外に出るのを嫌がるようになった。

学校に行かなくなった妃姫子は、両親からも暴力をふるわれるようになった。

それから妃姫子は雨が降る日しか外に出なくなった。

「許してくれぇ……!痛い……許してくださいぃ……!」

向こうから、待ってましたと言わんばかりに、真っ黒なコートを来た人が走ってくる。
マスクを取り笑った。耳まで裂けた口が上がる。

引きずり回された後、口を裂かれる。

こうしても、自分の未来が変わるわけではないと知っている。

それでも許せなかった。自分だけ苦しんで死ぬのは嫌だ。自分をこんな目に遭わせた奴も道連れだ。

そうなっても仕方ない。何も悪くないのに許してと言っても、止めなかったのだから。