「……気持ち悪」

椿森は口元を手で押さえた。

「その男の子、病院に連れていった方が良かったよね。心の……」

「闇深い男の子ですよね。そういう人をすぐに見つけて、解決に向かわせる体制を日本は整えた方がいいと思います」

椿森と石蔓をブルーにした張本人は普通にしている。

「話していて気持ち悪くならないのか……?」

石蔓は机に伏せていた。

「別に。怖い話ってグロテスクなのが多いですよね?でも今回のは単なるグロ話に終わったかもしれません……」

高時がいればどんな反応をしていたのだろう?自分が死んだ話をするくらいだから、案外普通にしているのかもしれない。

「口直しに私が話をするわ」

椿森が手を上げた。異議はなかったので話し始める。

「皆もよく知っている……はずの、あの人のお話よ……」