「お蔵入りになる前、言いたいこと」
うちの子が泣いている。

「はいはーい」

ペンを机に置いて駆け寄る。
何をしてほしいのかな?おむつは変えなくても大丈夫か。

ああ、お腹が空いてたのね。うちの子は粉ミルクしか飲まない。

この哺乳瓶が合っていないのか、私の持ち方が悪いのか、時々口からミルクが溢れ出す。
調べるのを忘れていた……。

持ち方が悪くなければ、哺乳瓶が合っていないのかもしれない。新しいものに変えよう。

もしも病気だったら……。そう思うと心配になって、きっと、原稿に手がつかなくなる。

この子は大切な私の子。
守れるのは私だけ。私しかいない。

寝かしつけた後、PCで検索する。
よかった。今までの姿勢で合っていた。明日哺乳瓶を買いにいこう。

もう原稿に戻る気力は無くなっていた。
ちょうど私がいなくなったことに気付いて泣いている。よし、一緒に寝よう。

もぞもぞとベッドの中に入り、顔を見つめる。
可愛い。私からこんなに可愛い子が産まれるなんて……今でも、夢ではないかと思ってしまう程。

背中をトントンして、小さな手で目を擦るのを見る。
暫くして、寝息が聞こえてきた。私は安心して目を閉じ、眠りに落ちた。