「なんでもないって……もしかして、宮下のこと、好き、なの?」
 
意地悪く、由羽が私の顔をのぞき込む。

「好きなんかじゃないよ!
宮下くんのことなんか、なんとも思ってないんだから!」

「真っ赤になって小夜可愛いー。
はいはい、なんとも思ってない、ね」
 
にやにや笑ってる由羽にむかつく。
でも、顔が赤くなってることは確かだ。

「ほんとになんとも思ってないったら!」

「はいはい。
そういうことにしとこうね」

「由羽の莫迦!
もうクレープ、奢ってあげない!」

「ごめん!ごめん、小夜!
それは許して!」

「どうしよっかなー」
 
慌てふためいてる由羽にすっとした。