屋上で矢澤くんと初めてまともに話したな。





そんなこんなで早くも文化祭の時期に。




「だれか委員やる人いないかー?」


それまで騒がしかったクラスが一転。
静かな沈黙に包まれた。


「誰もいないのかー?全く。じゃあ仕方ない、くじ引きで決めるぞー。」


「うーわ、マジかよ。」


「くじとかホントやだ~」


クラスのみんなが険悪なムードに。やはり委員なんて誰もやりたくない。自分だって嫌だ。

「はいはい静かにー。それじゃあ出席番号の1番と34番じゃんけんしてくれ。それでくじ引きの順番決めるから。いーな?」


「はーい。」


1番の相川さんと34番の渡邉君がジャンケンをした。結局1番から引くことに。


自分の番が回ってきた。


(外れますよーに!!!)


結果は後で先生が書いた番号の人。


黒板にドン!と貼り出される。



4番と13番


ドクンドクンドクン


紙をめくる。すると...


14番!


(やった!!委員じゃない!誰が委員かな?)


クラスを見渡す。すると、矢澤くんが手を挙げた。


(矢澤くんだったんだ!!あともうひとりは誰かな?女子だったら......??
女子だったら、なに?)


少し待つと一人の生徒が手を挙げた。


「おー、お前か!吉野!!」


吉野。それは矢澤くんと仲のいい男子だった。

(ほっ......?????なんで安心してんだろ。別に矢澤くんのことはなんとも思ってないし。)


「皓暉!!!お前でほんとよかった!心の友よ!これから共に頑張ろうではないか」


「やめろよ。俺は別に嬉しくなんて...」


「顔、にやけてるぞー?」


「ばっ!!!んな訳ねーだろ!」


クラス中があの険悪なムードから明るい雰囲気へと一転した。


「よーしお前ら!!俺らが委員になった以上覚悟しとけよー?バシバシこき使ってやるからな!」


みんなで笑い合った。