失恋だけじゃない

ザワザワ




今日は高校初めてのクラス会。



みんな楽しそうだ。



「かーりん!飲んでる??」



「さやちゃん!飲んでる?ってジュースじゃんよ(笑)飲んでるよ!たのしーね、思っていた以上に楽しくて、これからいい一年になりそうだね♡」



「おばさんか!(笑)でも確かにそうだよね~。ほら、矢澤くんいるじゃん?やっぱみんなに囲まれてるね~。」



「あー、ほんとだ。やっぱ人気者は囲まれるのが使命だね(笑)」



あの不思議な胸の奥の違和感はもうなくなっていた。あの時はなんだったんだろう。まだ理解はできていないけど、きっと何でもないんだろうな。



(!!!!矢澤くんがこっちへ向かってくる...???いやいやいや!ないないない。だってあんな人気者が...!?!?!?)



「千葉さん。隣いい?」



「え!?あ、どーぞ...?」



「ありがとう(笑)」



「ど、どーしたの?」



「え?あー、なんか疲れちゃって。だからちょっと休憩Timeなんだ~。」



「でも、だったら他にも空いてる席沢山あるよ?」



「いや、千葉さんと話したことないなーって思って話したいなーって思ったんだけど...迷惑...だったかな?」



「いやいや!!!そんなことは...」



「ははは(笑)千葉さんってなーんか面白いよね~。」



沈黙が流れる。


「皓暉!!!早くこっち戻ってこいよ!はーやーくーーーー!!!」



「ハイハイわかったわかった!今行くから待ってろ。」



「ありがとね、千葉さん」



「いえいえとんでもない。」


(矢澤くん、私の事暗い女だって思ったかな?)


「かーりーんーー!今、矢澤くんと何話してたの?」



「え!?何も話してないよ!!ただ、疲れたから隣いい?って言われただけで...」



「ほんとー?(笑)ま、そんなことはどーでもいーんだけどさ、向こうでみんなで話そうよ!ね!ほら!!!」

グイと腕を引っ張られみんなの所へ向かった。


その日の夜、私はベッドで考えた。

(矢澤くん...あんま話せなかったな。でもこれからはクラスメートとしてたくさん話したいなー。)

チラッと時計をみると既に0時を回っていた。

(やば!!早く寝ないと!)

一日を振り返り、静かに目を閉じ眠りについた。