失恋だけじゃない

「ごめん。受ける高校違うだろ?やっぱ俺には遠恋なんて考えられない。お互い辛くなるようなら...」

いきなりの別れ宣言。
この後何を言われたかは全く覚えてない。
どうして遠恋が無理なのだろうか。
二人の愛が試される絶好のチャンスなのではないのか。
そんなことを自分の胸の内に隠し、泣く泣く了承した。




中学三年のとき。
私たちカップルは周りから見ても普通で、だけどちゃんとお互いに好き同士で、何の変哲もないカップルだった。
「ほかのカップルには負けないところは?」なんて聞かれても答えることが出来ない。
でも、「好きなところは?」と聞かれると両手じゃ収まらない程あった。
廊下ですれ違うときに手を振ったり「おはよう!」なんて、顔を赤くしながら挨拶したり。the青春って感じの中学Lifeを過ごしていた。
いよいよ高校受験が迫ってきて、さぁ頑張るぞ!!という時だった。
あの悪夢のような言葉。
今何が起きているのか何を言われているのか理解し難いほどショックだった。
こんなとき少女漫画なら「あんな奴やめて俺にしろよ。俺ならそんな悲しい顔させない。、、、な?」
なんて言われるのだろうが、私にはそんな相手はいない。
泣く泣く、彼の悪夢のような言葉に了承した。

とてもショックだ。でも、今はそんなメソメソしている暇はない。受験という大きな試練が待ち構えている。頑張らなきゃ。



それから数ヶ月後受験は終わった。
例の元彼とはあれから話していない。
受けた高校も違うし、これからはもう話すこともないだろう。そう思った。




それからさらに1ヶ月後、無事高校入学を果たすことが出来た。まだ元彼のことを吹っ切れたわけじゃない。でも、ここで新しい恋を見つけよう!そう自分と話し合った。