春、桜の咲く季節


「サクラ!サクラ‼」
 

サクラを呼んでもシーンと静まり返る辺りに


私は見間違いだったのだと諦めて帰ろうとした時、


『ハルカ。』


と懐かしい声が桜の木の上から聞こえ顔を上げてみる。


そこにはやっぱり先程見た懐かしいサクラの姿があった。


「サクラ…会いたかった。」


 私は思わずサクラを抱きしめようとしたけど


私の腕はサクラの体を通り抜けた。


ああ、この子はサクラだけど幽霊なのだ、と思い知る。